「にか、それでこの前どーなったの?こうたくんとは!!」
いつもの移動教室に向かう途中での会話。
「あ〜、またいつもと変わらないよ、普通に会って普通に帰っただけ〜」
あれからこうたと会うたびにかなにはきちんと知らせている
好きって気付いたんだ
そう言ったらかなはとても喜んでくれた。
私の過去もすべて知っているから。
前に進めているわたしをみて安心してるんだと思う
「そっかぁ〜、こうたくんはなにやってんのよ!もう!」
「え〜?あ、、、」
前から友達とじゃれあいながらくるこうた。
わたしには気づいてないみたい
なんで気づかないのよ〜〜
やっぱ、私の一方通行じゃん。
私ばっか、すぐ気付く。
「え…時計…」
私のことなんか見向きもしないこうた
あっさり横を通り過ぎていくこうたの腕には
私があげた時計が付いていた
「さっそくつけてるし…」
いつかつけてあげる
なんて、あんなこと言ってたくせに
そっこー付けてんじゃん
嬉しくてたまらなかった。
私がこうたのために選んだものを
私の前で、みんなの前で
付けてくれてるなんて
特別な気持ちになった。
きっと付けてくれないだろうって
思ってたから
すごく嬉しい。
嬉しいよ、こうた。

