「こうた今日何で帰るの?」
「電車だよ。」
今はもう9時過ぎ。
「え?!大丈夫なの?!電車間に合う?混むよ?!友達は!?」
いつのまにかずっと近くにいたこうたの友達達はいなくなってたから焦った。
「うん、みんなもう駅行ってるみたい。あと2、3分は大丈夫。走ればまにあう!」
「無理しなくていいのに…」
あんなに最初は話すの嫌そうにしてたのに
なんで今更こんなに優しいの。
それからまた少し話して、
「もう3分経ったんじゃない?早く行かなきゃ乗り遅れちゃうよ?私の事はもういいから。」
少し名残惜しかったけど
仕方ない
来てくれただけで嬉しいから。
「うん、じゃーそろそろいくわ!にかも気をつけて帰れよ!」
「うん。またね……わあっ。」
こうたが立って行くかと思ったら
私の頭をくしゃくしゃっと撫でて
目を合わせてニコッと笑った
「ちょっ、、」
私は何も言えなかった
こうたも何も言わず
一度もこっちを振り向く事なく
帰って行った。
何故か、心臓のドキドキが収まらなかった。
私の中で何かが動き出した気がした。
「初めて、ちゃんと目を見た気がする…」
髪を整えるのも忘れて
ただぼーっとしていた。
「にかー!迎え来たよー!かえろ!」
「あ、うん!」
かなの声で私はやっと戻った。
初めて目を見たあの瞬間から
こうたを意識するようになった、

