雨が降りしきるある平日。
めんどくさい6限の授業が終わり、
私は母の迎えを待っていた。
かなは家が近いから先に歩いて帰ったんだけど。
「なるべく人がいないとこがいいな…」
あんまり人と話すとこに慣れてないから
こういう時はなるべく目立たないところにいる。
「1時間くらいかかるしこの辺でいっか…」
誰も人がいない教室棟の反対にある多目的棟の
外の渡り廊下の所にすわった。
部活生の声が聞こえる。
雨だから、校舎内を走っている部活もいる。
こうたくんは、いるのかな。
なんとなく、思い出した。
「あっ、にかさん!」
聞き覚えのある声。
みると
「こうたくん。」
何故か制服姿のままのこうたくんがいた。
子猫のような笑顔で、私のとこに近づいてくる。
「むかえ待ちっすか?」
「そうだよ。1時間くらいかかるから、ここに隠れてんの。」
さりげなく横に座ってくるこうたくんに、少し戸惑いつつも、冷静に答えた。
「ははっ、隠れてるって、なんでですか?」
「人、苦手だから。」
あまりにも目を見つめて話してくるから、すごく困る。
「ふ〜ん。俺もむかえ待ちっす!」
なんでここにいんの?わざわざ私の隣に来て。
「こうたくんはなんでここに来たの?玄関で待ってればいいのに。」
「ん〜、俺も人苦手だから!」
笑えない。絶対苦手じゃないじゃん。そーやってまた子猫みたいに笑って。
「笑えない。」
「え〜、俺別に笑わせようとしてないですよ!?」
きっと、ほんとに馬鹿なんだろうな、この人。

