私はあなたに惹かれました。





「にか〜、いいかげん元気だしなって〜。」

友人のかなに慰められる。私は、1年半付き合っていた、
1つ年上の彼氏に振られた。

「元気だってば〜。」

3ヶ月前に。。。

吹っ切れてないわけじゃない。けど、忘れられてるとも言えない。

なんとも複雑な心境で迎えた高校3年生の春。
今日から1学期。

「えー、春休みも終わり、学年が一つあがって、、ーーー」

いつもの長い校長の話。今日からまた学校が始まるなんて
憂鬱で仕方ない。

でも唯一よかったとおもってしまったことは、もうこの学校に
彼の姿がないこと。
もう見て、悲しまなくていいということ。

ゆうきが卒業して1ヶ月ちょっとたった。

私は大好きだった。ゆうきに全てを捧げてた。
だからゆうきを失ってからの3ヶ月間の私は、なにもかも空っぽで。


「春休みあっという間だったね〜!にかは何してた??」

「ん〜、ほとんど寝てた。かな、」

春休み中、友達と遊ぶことはもちろんあった。
けど、ゆうきのことを考えない日なんかなかった。
ゆうきは最後まで最低で。私の思い出は止まったまま。

卒業式の日、もう他人の私に、ゆうきは苦しいくらい眩しい笑顔で

「にかー!最後に写真とろうぜ!」

そう言ってきた。


何考えてんの。


ゆうきより15センチ低い私の肩に、腕を回してきて
カメラに向かって思い切りピースをした彼。

とまどったけど、私はめいいっぱいの笑顔で笑った。