Beast man

「ん?たまたま会ってねー」

「そなん?あー、そーだ。俊介の野郎が詩音の事呼んでんのよー。はやく行ったげてー」

俊介…同じクラスの湯神 俊介くんのことかな?

「あーうん。分かった。じゃあ夜霧くん、また明日学校で…」

「まっ、またね!」

境さんはどこか悲しげな顔でこの場を去っていった。
てか、まじか!!境さんと話せた!!!!!!なんか邪魔が入ったけど幸せだったよ!!!!
…。境さんも、やっぱ人気だから、男子と図書館に来たりしたりするんだな。ちょっと、湯神君のことが羨ましかった。あぁ。そうかこれか。
この羨ましいって気持ちが戦争に………

「アンタ、詩音のこと好きやろ?」

「へいっいっ!?」

境さんと一緒に去ったと思ってた東雲さんが、僕の顔を覗いてそんな質問をする。

「まあまあ。そんなに警戒なさらずに」

警戒もクソもないよ!!なんで、こいつがそんなことっ…!?

「あ、今、なんでバレた?って思ったですな?」

「ぎくっ!!」

「アハハ!!ぎくって言っちゃってるし!!図星?」

東雲さんは馬鹿にするような笑い方をして言った。うるさいな、この ひがしくも。

「ふふっ。アナタ気に入ったわ!!夜霧。アンタの恋応援するわよ!!」

へ。思いもよらない言葉に少し戸惑ってしまった。

「夜霧、メアド交換しよぜ!」

「えっへっへっ?」

僕は、流れ的に、携帯をポケットからだしてしまった。
そして、その携帯を東雲さんに出した。

「おぉ!!ノリが良いねそらきゅん!!はい!登録したよ!これから宜しくね、そらきゅん!あ、私の事、下の名前で呼んで良いからね!じゃあね!」

東雲さんは僕に携帯を返し、そう言い残したちさった。
え、え、まって。状況が…つかめませんよ…。
なんで僕は東雲さんとメアド交換した?
てか、そらきゅんって!?!?
なんだ、モテ期か?


✝︎