借金取りと私の関係【完】

一瞬だけ、ほんの一瞬だけ言葉に詰まったのは、黒崎さんがいつもより穏やかな顔をしたから。



会えなくなるということは、お金のトラブルは解消するということ。



幸せなことだと思っていいはず。



「賭けでもしよっか」



「賭け…?」



黒崎さんはまた何か企んでいるのだろうか。



これ以上、私に何を求めているのだろう。



「全額返済する前に、アンタを俺に惚れさせる」



「…は…?」



「これが俺の賭け」