借金取りと私の関係【完】

男の目は嘘を言っているようには見えなかった。



「時給にしようか。1時間1万で」



「本気なの…?」



私の言葉に男はフッと笑うと、顎から指を離した。



「金で払えないなら、方法を考えろってただの提案」



そのまま玄関の方まで歩いて行くと、私を振り返り口元に笑みを浮かべる。



「明日また来るから。利口な選択を期待してるよ」



それだけ言うと、男は家から出て行ってしまった。



いつもくる彼らよりずっと年下に見えるのに、その風格はどうしてか大人を感じさせた。



年齢ではない何か。