お皿の上に残った、微かな食べかす。



まさか、と思った瞬間なぜかドキリと胸が鳴った。



私がトイレ行く前、ケーキはここに残っていたはずで。



トイレに行ってる間に無くなるなんて、理由は1つしかない。



「…黒崎さん…?」



もうそこに黒崎さんの姿はなかったが、黒崎さんが食べたであろうことは明確だった。



『確かに美味しくない』



そう言ったのは黒崎さんなのに。



やっぱり黒崎さんの心は読めそうにない。