借金取りと私の関係【完】

トイレに入り、とりあえず落ち着かない感情を静めるため深呼吸。



黒崎さんはいつも何を考えてるか分からない。



恋愛感情がなくても、何でもできてしまう人。



だけどふとしたときに、冷たすぎる目をする。



冷たすぎる笑みを浮かべる。



ここまで心が読めない人に出会ったのは初めてで、ずっと黒崎さんを掴めずにいた。



出会った頃から、黒崎さんは変わらない。



黒崎さんのしている仕事だって、いまだに分からずじまい。



分からないことが多すぎるからこそ、黒崎さんの表情や声だけで、私の感情が忙しく変化する。