借金取りと私の関係【完】

「自分の尻も拭けない人材が働いていけるところじゃねえんだよ」



『…え?ちょ、黒崎さんそれどういう…』



皆まで聞かずに通話を切った黒崎さんは、何もなかったようにケータイをしまいテレビをつけた。



黒崎さんを見つめた目が動かない。



いつも私と話すような声ではない。



薄く口では笑いながらも、声は低く響き、その釣り合わない表情と声が余計体を強張らせる。



「…なに?」



いつまでも動かない私に、片眉を上げる黒崎さん。



「…あ、いや…と、トイレ行ってきます…」



何を話せばいいのか分からなくなり、咄嗟に出た言葉はそれだった。