借金取りと私の関係【完】

どうやら電話がかかってきてるようだ。



黒崎さんはケータイを耳に当てると、いつもより低い声で話し出した。



「…俺がなんとかしておくよ」



ケータイから漏れるのは、若い男の人の声。



黒崎さんの表情は変わらず無表情なのに、どうして恐いだなんて思うんだろう。



「あぁ。お前はもう何もしなくていい」



『ありがとうございます黒崎さん!何しても黒崎さんがいれば安心っスね!』



そんな若い男の声が、はっきり漏れて聞こえたとき、黒崎さんが冷たい笑みを浮かべたのを私は見逃さなかった。



「いや、お前はもう仕事もしなくていい」



『え?』