借金取りと私の関係【完】

呆れる私。



だがそんな私のことなんて気にも留めない黒崎さんは



「ケーキ食べないの?」



まるで何もなかったような顔をして聞いてくる。



私は一瞬ケーキに目を移したが、すぐに逸らして笑った。



「甘くないケーキはケーキじゃないです」



今回のケーキは失敗したが、きっとこれを生かして次を作れる。



そう思わなければ心が折れてしまう気がした。



「確かに美味しくない」



うん、と頷いた黒崎さん。