借金取りと私の関係【完】

どうして黒崎さんは、 平気な顔してそんなことができるのか。



人の手を舐めるなんて、普通では考えられない。



「あ、ありえない…」



「手についたクリーム舐めてあげただけじゃん」



はあ?と黒崎さんを見上げるが、思った以上に真顔をきめていた黒崎さんにたじろぐ。



「満更でもないんだろ?」



口の端を持ち上げ、バカにするような笑顔を浮かべた黒崎さんに、私はいつもより声を張ってしまった。



「な、なわけないでしょ…!?」



「どうだか」



「い、いい加減に…!」