借金取りと私の関係【完】

「行ってくるよ」



妖艶な笑みを向けながら、黒崎さんは出て行く。



耳に残された余韻が、ジンジンと熱い。



「も、もう…!!」



1人になった部屋に、行き場のない声が響き渡る。



テーブルの上に置いてあったスプーンが、嘲笑うかのようにカタン、と音を立てるのだった。