借金取りと私の関係【完】

確かに普通だけど。



それ以上でも以下でもないけど。



(なんか失礼だなあ…)



「料理は得意な人?」



既にほぼ食べ終えた黒崎さんが、私を見て問うた。



私はスプーンにすくったカレーをそのままに、黒崎さんを呆れた表情で見返す。



「…見ての通り、普通なものしか作れません」



「料理のうまさも昇給に繋がるから、頑張れよ」



「…え」



昇給に繋がる、なんて言って、どうせ今考えたであろうことは察しがつく。