借金取りと私の関係【完】

その状況を把握した途端、グンっと熱が顔に集中。



(まさか黒崎さんの肩で寝ちゃうなんて…)



黒崎さんを起こさないように頭をどかし、深い溜め息を零す。



19年間恋愛をしてこなかった私は、体の関係どころか、男の人と手を繋いだこともなかった。



考えが甘かった、と今では強く思う。



ふと、寝息を立てながら眠る黒崎さんに目線を移した。



(わ、肌きれい…)



初めて黒崎さんの顔をじっくり見た私は、その肌の綺麗さにびっくり。



二重の線もくっきりなうえに、まつ毛も長い。



鼻筋が通り、適度に薄い唇からは寝息が漏れている。