「まあ」



黒崎さんが私の手を握りなおすと



「そんな奴を好きになったのは俺なんだけど」



なんて。



「〜っ」



恥ずかしさにむせそうになる。



嬉しさに泣きそうになる。



「帰ろう」



黒崎さんの言葉に頷き、桜の道を2人で歩いた。



青すぎる空に、花びらが舞って。



春の陽気に似合う風は、2人の髪を揺らした。