父が亡くなってからというもの、山のように借金をしていた父の全ては、私の背中へのしかかってきたのだ。



名義人の名前に私を書いていた父は、遺書にただ一言「すまん」とだけ書き残し、この世を去った。



たしかに父が亡くなったのは悲しかった。



だがそれ以上に悲しいものがそこにあった。



それからというもの、最初は順調に返していった私だが、父はどこから借りていたのか理不尽に利子が増えていく。



まだ学生だった私が返せるはずもなく、だんだんと返済できる金額は減っていった。



1年目は電話での催促だけだったが、月日が経つにつれ家にまで来るようになり、2年が経った今ではたまに待ち伏せをくらう。



親友である女の子より、会う頻度は高め。



遠くからでもシルエットだけで誰だか当てられるようになっていく自分が恐い。



(そろそろ大丈夫かな…)