借金取りと私の関係【完】

『俺も気遣いくらいできるんですけど』



まさか気遣いだったなんて。



ポッと胸が暖かくなって、緩んだ頬のまま黒崎さんの隣を歩いた。



「何ニヤけてんの気持ち悪い」



「へへへ」



こうやってふざけながら隣を歩けるのは、あとどれくらいだろう。



心の片隅で、そんな思いがあるのは知らないふりをして。



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「手作りって言ったってカレーですか〜?」



「…文句あんなら食うな」