借金取りと私の関係【完】

こんな作戦にかかりたくないのに、心臓は正直で。



バクバク鳴ってしまう音が、黒崎さんに聞こえてしまってないか不安。



「もう1月も終わりだな」



と、近所に飾ってある門松を見て、黒崎さんが呟いた。



「…そうですね」



私も黒崎さんの視線を追って、その門松を見つめる。



2月が近づいていた。



2月になってしまえば、もう全返済ができるだろう。



返済しきれば私の青春が返ってくる。



それと引き換えに、黒崎さんとの関係は終わるのだ。