「勘違い…?」



白鳴が黒崎さんを振り返り、怪訝な顔をした。



「確かにお前の母さんは不倫をしてた。だけどその前に、父さんが不倫をしてた」



黒崎さんが淡々と告げる中、白鳴の表情はだんだんと曇っていく。



「何言って「じゃなかったら…俺がそいつより歳上なはずがないんだよ」



白鳴の言葉を遮った黒崎さんが、私に視線を移す。



「お前の母さんが不倫するより前に、父さんは別の女との間に子供を作った。それが俺」



どうしてそんなに冷静に、黒崎さんは物が言えるのだろう。



「嘘だ…!もしそうだとしても、この女ができなければ、俺は幸せに暮らしたはず…!」



白鳴は今までのポーカーフェイスを崩し、私に恨み剥き出しの目を向けてきた。