借金取りと私の関係【完】

黒崎さんを悪く見えなくなるから、やめてほしいのに。



「そんなこと言われたら…帰れないじゃないですか…」



ムスッとする私の髪に、黒崎さんが優しく触れた。



「言っただろ」



温かい瞳の中に、微かな熱を灯して。



私の耳に、触れるか触れないかの口づけをすると、囁いた。



「可愛いって」



心臓が痛いくらいに跳ねて、今きっと耳まで真っ赤だ。



「ず、ずるい…っ」



黒崎さんはずるい。