「だって…篠原さんみたいな色気もないガキ、黒崎さんの顔に泥塗ってるみたいで…」 黒崎さんはこの会社をまとめるトップ。 そんな黒崎さんの横にいるのが、色気もない、大人の余裕もないただのガキ。 今思えば、黒崎さんの株を下げてる気がしてならない。 「…アンタが嫌なら今から帰るよ」 「…え?」 だけど、返ってきたのは予想もしていなかった言葉だった。 「アンタを連れてることで株が下がるなら、俺は下がってもいい」 またそうやって。 計算つくされた優しさを見せるんだ。