借金取りと私の関係【完】

「その子が言ってた子?」



私の元へ近寄ってきた女の人。



ほんのり大人の匂いが香る。



「可愛いのね」



あのとき、黒崎さんと一緒に歩いていた女性。



見たのは一瞬だったはずなのに、こんなにも鮮明に覚えている。



「こんにちは柚葉さん。私は篠原 鈴歌(シノハラ スズカ)。よろしくね」



「あ、こ、こんにちは…」



ニコリと笑った女性に、大人の余裕が漂って。



何故か勝てないな、なんて思った。