借金取りと私の関係【完】

「い、いきなり何「可愛い」



今まで見たことのないような優しい笑みに、温かい眼差しが私を捉える。



心臓は跳ね、バクバクと音を鳴らし、黒崎さんにも聞こえてしまわないかと不安になるほど。



「な、や、ちょ、…なんですか、もう…っ」



「なにその目。誘ってんの?」



「は、はぁ!?」



声を荒げる私を黒崎さんが笑ったとき、部屋の扉が開いた。



「あ、やっぱりここにいたんだ」



心臓が今度は別の音を鳴らし始める。



さっきとは違う、嫌な音だ。