借金取りと私の関係【完】

ドレスに足を通し、胸の高さで後ろのホックをしめる。



私のサイズぴったりなドレスを選ぶ黒崎さんには、多少の恐ろしさも覚えた。



(なんでサイズまで知ってんの…)



だがそんな想いも、鏡に写る自分が消してくれる。



夢にまで見た、お姫様のようなドレス。



歩くたびに揺れるその姿は、似合うかどうかを忘れさせ、純粋に感動させてくれた。



「く、黒崎さんこれ…っ」



感動に任せ、バッと試着室から出て気づく。



そうだ、自分は今、黒崎さんに選んでもらったドレスを着ているのだと。