借金取りと私の関係【完】

うそでしょ、と周りを見渡す。



きっと何百万とするだろうドレスは、私の目には痛いほど輝いていた。



「そんな……着れませんこんなの」



「俺が選ぶ」



「ちょ、黒崎さん…!」



私の言葉なんて無視で、ドレスに手をかける黒崎さん。



その目はいつもより楽しそうだ。



「黒崎さん…」



「アンタが着れる着れないなんて関係ないから」



ドレスを遠くから私に合わせて、何個も何個も手に取って。