借金取りと私の関係【完】

頭の中に、さっきの光景が焼き付いて離れなかった。



綺麗な女性と楽しそうに歩く黒崎さん。



見たことのない笑顔を浮かべていた。



泣き出しそうになるこの気持ちは、一体なんなのか。



何もかもが嫌になるような、虚無感にも似た感情。



味わったことのない感情に戸惑い、苛立ちを覚える。



黒崎さんと出会う前に戻りたい、そう願ってしまう。



空を仰ぐと、さっきより粒の大きくなった雪が、落ちるスピードを緩めて降っていた。



鼻先に雪が触れる。



真っ暗な空に、真っ白な雪が、数え切れないほど舞って。