借金取りと私の関係【完】

「もしもし」



真琴さんの聞いたことのないような低い声。



「いえ。…一緒にいます」



私には黒崎さんの声は聞こえないが、きっと冷静なのだろう。



「柚葉は、帰りたく無いそうです」



「…え?」



ニコリともしない真琴さんが、私を見ながらそう言った。



いつもの笑顔は一つもない。



「そうですか。…失礼します」



「あ、あの真琴さん…?」