借金取りと私の関係【完】

何度も助けられた優しさだ。



「え、柚葉、休むってどういうこと…?」



「心配かけてごめんね。大したことじゃないから、心配しないで」



私が笑いかけると、何かを言いたげに口ごもりながらも、雪ちゃんも何も聞かずに仕事へ戻った。



言えばみんなが助けてくれるのは分かってる。



だけどそれで助かったとしても、何も嬉しくない。



「ごめんなさい、今日ここ工事中で……あ、こちらからお回りになれます」



遠くで雪ちゃんの声が聞こえてくる。



肌をさすような11月下旬の寒さ。



白い息を吐きながら、私も雪ちゃんを見習い声を出す。