借金取りと私の関係【完】

もしかしたら、これから女の子らしく生きる道があるのかもしれない。



普通に仕事をしていれば、一生をかける額。



あの人の提案に従えば、半分…いやもっと早く返せるかもしれないのだ。



何十年と生きるうちのほんのすこしの時間くらい、誰かに捧げてしまってもいいのかもしれない。



私の思考は、既に覚悟を決めていた。



その中に、悔しさや哀しみは無い。



ふと時計に目をやると、仕事の時間が迫ってきていた。



買い出しに行こうとしていたが、それを諦めて仕事の用意を始める。



きっと最後になると、どこかで思いながら仕事着に腕を通した。



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