「じゃあ、一番大きく描くものって
いうかテーマを決めようよ!
私のデザインか髙野くんのか!」


“どっちがいい?”と加えて聞いてきた。


「俺は、山本には申し訳ないけど、
俺のデザインがいい。
正直、今までにないくらい、
原案の龍もうまくかけたし…。」


申し訳なさそうに山本を見ると、
そんな俺を見て、山本は慌てて否定した。


「気にしなくていいよ!
私も髙野くんのがいいなって思ってたし。
私は、思ったよりいいのが思い浮かばなくて、みんなの力を借りようって思っただけだから。」


本当に気にしなくていい。
そう思わせるような笑顔を
持っている山本はすごいなと思った。


「じゃあ、俺のアイディアをもとに決めていこうな。」


俺の言葉にコクリと頷いた。


「じゃあ、さっきの話に戻るけど、
四隅に何かを書く分にはなんの問題もないけど、それが花っておかしくない?
龍に花……」


龍に花、ねぇ…

意外と、龍が引き立っていいんじゃねぇーか?


「俺は別に花でいいと思うけど。
2人でせっかく原案考えたんだから、出来れば山本の意見と俺の意見をそれぞれ同じくらい入れていきたい。」


俺の意見を聞き、頷く山本。


「んー。じゃあ、こうしよう。
花は花でもちゃんと花言葉を持っている花にしよう。
そしたら、体育祭にもぴったりな花になるし。おかしくなくなるね。」


花言葉か…。
俺、そういうのよくわかんないんだよな。


「俺さ、そういうのよくわかんねぇーから、それは山本にお願いしていいか?」


「うん!もちろん!」


俺のお願いを快く引き受けてくれた。