「なぁ、玲。
山本って誰だ?」
俺を呆れた顔で見ている玲。
「はぁ…。
そんなことだろうと思った。」
しょうがねぇーだろ。
まだクラス全員の名前覚えてねぇーんだよ!
「そこの子~!山本舞羽(Yamamoto Mu)ちゃん!
かわいい子だよねぇー!」
廊下側の前から2列目にいた女。
絶世の美人という程でもないけど、
肩くらいまでの艶のある黒髪に、玲と同じの漆黒の瞳。
かわいい感じでほわっとしている。
「あぁ…。まぁ。」
「おー!珍しいなぁー!!
悠太が女の子褒めるなんてぇ~」
玲の声に一気に
俺と玲に注目するクラスの奴ら。
「おまっ!バカ!
声でけぇーんだよ!」
ペシッと一発頭を叩いといた。
「佐藤が我慢できないみたいだから
話はこの辺にするかぁ~。
あ、早速だが実行委員は放課後集まりがあるから忘れんなよー
委員長!号令!」
山田のその声にクラスの奴らがクスクスと笑う。
「起立~。気をつけ~。礼。」
「「ありがとうございました!」」


