「…でもね……」
でも…?
「悠太の意識は戻ってない。それに、出血多量で体に対する負担が大きかったんだって。だから、これから眼が覚めるかもわからないし、眼が覚めても後遺症が残るだろうって。」
目の前が真っ暗になるような気がした。
すべての景色が色を失い、モノクロで目に写った。
「あと、悠太は集中治療室にいるよ。ICUって呼ばれるところね。」
「…ICU……」
オウム返ししかできないほど、僕の心はグチャグチャだった。
「それと…本当に申し訳ないんだけど、ICUは家族しか面会ができない。それに一日に2回…。」
面会ができない…?
どれだけ悠太を心配しても、僕は悠太には会えない…。
絶望の淵に立った僕は龍さんに返す言葉も見つからなかった。
でも。宏樹くんは違った。
「…んで……なんで……何で龍さんはそんなに冷静なんですか!?悠太はもう眼を覚まさないかも知れないんですよ!?俺らは悠太に会うことすらできないんですよ!?」
悠太が眼が覚めないと聞き、宏樹くんはどうしようもない不安と絶望に押しつぶされたのだろう。
それを発散するように、声を荒げ、龍さんに八つ当たりした。
「……あぁ。そっか…。そうですよね…。龍さんは会えますもんね。血は繋がってなくても」
次第に、悟ったように宏樹くんは力なく笑った。
「おい!宏樹!」
康介くんの制止を聞かず、宏樹くんの口はとどまることを知らなかった。


