沈黙を破ったのは、誰かが悠太を呼ぶ声だった。
「髙野ぉおぉぉぉおお!!!!!悠太ぁぁぁああああ!!!!!」
あれが組のやつなんだろうか?
組は銃を持っていて、ナイフなどもお構いなく使うから、危険なことはもちろんわかっていた。
それなのに僕はえらく冷静で、この大変な事態を客観的に眺めていた。
「…堂島ぁ……!」
いつもじゃ考えられないくらい低い声で、静かに声を上げた悠太にゾワッとした。
得体のしれないものに出会ったかのようなそういう感覚。
明らかにいつもの悠太じゃない。
「悠太。お前一回落ち着け。
指示は俺が出すから、お前は頭を冷やせ。
トップがそんなんじゃ総崩れするぞ。」
宏樹くんが悠太にそう言うと、悠太は我にかえった。
「…あぁ。悪ぃな。……頼んだ。」
「蝶月!聞いてくれぇ!
お前らは組長、側近以外を倒してくれ!
いつも通り、焦らず無理せず怪我せずいけよ!」
宏樹くんが大きな声で言うと、戦いながらも、蝶月は静まり返った。
「「「うすっ!!」」」
返事をして、またザワザワし始めた。


