ケチャップライスができて、あと卵で包むだけになった時。


ガチャっ。


玄関の扉がひらく音がして、涼太が帰ってきた。


「おかえりなさいっ!」


パタパタとスリッパの音を鳴らせ、玄関に向かった麗華さん。


「ただいま」


かすかに聞こえた挨拶。


すると、すぐにリビングに入ってきた。



「お帰り、涼太。」

「おかえり。」


テレビを見ていた龍さんは、振り返りながら、俺はケチャップライスを卵で閉じながら言った。



「ただいま。
悠太!今日オムライスなんだってな!」


にかッと笑った涼太を琉太と重ねてしまった。


思わず、手が伸び、頬を触れれずにさまよい、頭の上にポスっと乗った。



「おう!楽しみにしとけよ!
てかお前。先に着替えてこい!」



まだ制服だった涼太にそう言うと二つ返事で2階に登った。