「いや、やっぱりなんでもないの!なかったことにして!」



なかったことになんかしてやるもんか!



「いやだ。
こんな幸せなこと、なかったことになんかしねぇよ。
俺も好きだ、山本。」



そう言って、恐る恐る山本を抱きしめた。



「ほん……と…に?」



目をぱちぱちとして現実かわかっていない様子。



「舞羽…?」



「っ!?」



舞羽、と呼んだら山本が爆発した。
耳まで真っ赤だ。


こうして、気持ちが通じ会えたんだから、下の名前で呼び合いたいよな。



「舞羽?」



「た、髙野くん!?」



顔を真っ赤にして、焦っている山本に追い打ちをかける。



「悠太。」



「ゆ…ゆゆ」



なかなか呼ばない、もとい呼べない舞羽を急かす。



「ほら…早く…」



「ゆっ…ゆう………ゆ…ゆうたくん!!」



最終的に勢いで言った舞羽。


下の名前で呼ばれるって、何かいいな。

かわいい。


俺も顔が熱くなった。


こうして、見事に付き合うことになり、このまま舞羽を家まで送り届けて俺も家に帰った。



朝迎えに行くことを言って。