そこから少し時間が経ち…。



次は山本が出場する借り物競争ならぬ“借り人競争”。



周りの人を巻き込むので、かなり盛り上がる。


ゴールしたあとにお題が何か発表されて、それが意外と緊張する。


人気がある人は特に注目される。

炎龍とかな。
去年も誰かがでてすごい歓声だった。



山本も出るからな。

応援してぇな。


でも叫んでも聞こえないだろうから、本人に直接言いたい。


けど、山本は、係になっているからテントが俺らと違う。


どうしようか…。

玲に相談してみるか…。


「なぁ、玲。」


「んー?」


いつもの軽い返事。


「山本のさ、応援してぇんだけど、本人に直接言いたいのな。
どうすればいいか、いい案あるか?」


俺の言葉にかなり驚いている玲。
それに反応がない。


??
何か変だったか?


「玲?」


「あ、あぁ…
係のテントに行ったらどう?」


やっぱりそれが一番妥当だよな。


「わかった。
じゃあ、行ってくるな。」


早速テントに向かおうと足を進めたその時


「あ!悠太!
ストーップ!!!!!」


「あ?なんだよ?」


「舞羽ちゃんきてるから!
そこ!!」


玲が指差す方を見てみるとたしかに山本がいた。