「お久しぶりです」
舞子が満面の笑みを浮かべ
小走りになって駆け寄ってきた。
舞子は驚くほど美しく変身していた。
「あれ・・・ずいぶん変わったね、すごくきれいになったよ。」
「お化粧して化けているんで・・・」
舞子は笑いながらはにかんだ。

光一はひとり旅をしていたあの時の女の子と
目の前にいる女性とを結びつけようと
舞子の顔を覗き込んだ。
舞子は驚いた表情で見返してきたが
光一はその澄んだ瞳のまぶしさにひるんで
思わず瞬間的に目をそらした。

予想した通りの感情が湧いてきて
光一の心を締め付けた。

そのとき風が吹いて
なんじゃもんじゃの白い花が雪のように
ふわりふわり舞い落ちてきた。
舞子は雪のような白い花を
手のひらで受け止めようとした。
その仕草に光一は驚いた。
光一がずっと思い描いていた仕草だった。