美月が、顔を覗き込んだ。
「ああ、だから社長さんが来た時は
千尋、緊張してるんだぁ?」
「そう?」
「近づかない様にして
遠くから見てる感じ?!」
「ストーカー?」
ワッキーが、指を丸めて望遠鏡を作る。
「違うだろ!ポカ!」
千尋が頭にげんこつ。
「でも、いつか、ゆっくり、ちゃんと
話したいなぁとは思ってるかも・・・」
「大人だし、カッコイイしね」
「でも、俺も負けてないぞ!」
「アハハ!そうだね!ワッキーも良い男!」
美月の言葉に《そうそう!》と満足そうな顔。
「そう、ワッキーは良い男だよ!
でも、あたしはワッキーには惚れない。
大事な人とは寝ないの!
彼だと、別れたらそれまでになるでしょ?
でも、ワッキーとはそんな事で
会えなくなるのは辛い。
ずーと傍にいて欲しい人だから!ね?」
ワッキーは、どうリアクションしていいか
分からず、目が泳いでいた。

