あの時は、聖菜に背中を押されて


美月の言葉を聞かなかった。


でも、後悔はしてない。



「てかさぁ、どうすれば良い?

     じゃなくて、千尋がどうしたいの?」


「分からないよー!分からないから・・・」


千尋は、声を荒げてしまった。


「ごめん、美月にあたっても・・・ごめん」


美月が、そっと肩に手をまわした。


「辛い恋は・・・終わりにしよう・・・

 千尋が泣くからって止めたよ!

 でも、行ったでしょ?

 聞かなかったでしょ?

 一緒にいない事が辛かったから!

 でも、今は、一緒にいる事が辛いでしょ?

 だから・・・終わりにしよう」


千尋は、我慢出来ず涙を流した。


「本気でぶつかっって

 本気で愛したんだから・・・

 そんな恋愛、滅多に出来ないよ!

 だから、後悔はないでしょ?」



美月の身体も震えていた。