カモフラージュ


泣き声がしたので、聖菜は立ち上がり


子供を抱き上げた。


「可愛いね?」


「欲しい?」


「う~ん・・・今は・・・」


「子供が産まれたらどうするの?」


「キツイ事、聞くよねぇ?」


力いっぱい目を瞑った。


「それでも、一緒にいれるの?」


「その時になってみないと・・・

 でも、子供が出来たって聞いて

 驚いて、裏切られたと思って

 もう、一緒にいれないんだと

 思い込もうとして・・・

でも、好きの気持ちは変わらなかった!」

 
「ふ~ん・・・・・

      ・・・・・会いに行けば?」

       
「えっ?」


素っ頓狂な返事。


「でも、今度は修羅場だよ?

 それこそ、半端な覚悟じゃ駄目!!!

 彼の家庭を壊すかもしれないんだから!」


聖菜の声に子供が驚き、また泣き出した。