そして、千尋の目の前に立った。


「車があるのにいないから」


「あっ、もしかしてメール?

            ごめん、車で待ってて」


レジが混んでるので、千尋は鍵を渡した。



「ごめん、お待たせ」


「返事が無いから・・・

   でも、待っててくれてたらと思って

            来てくれてありがとう!」



優しい声


懐かしい響き



「だってぇ
 
   間違えて送って来たと思ったから・・・」


彼は下を向いている。


「でも、どうして?」


「・・・」


「お正月、何処か行ったぁ?」


「嫁さんの実家。

       俺だけ帰って来た」


「大丈夫なの?でも、どうして?」


彼は答えてくれない。



此処にいても仕方ないので


行く当ても無くドライブ。


そして、ずっと沈黙。