「ごめんなさい、知らなくて・・・

      困らせるつもりじゃなかったのに」


千尋は、どうしていいか分からず俯いた。


「2人で力を合わせて、娘を励ましてた。

 でも、良くならない苛立ちと、疲れで

 いがみ合うようになっていった。

 俺は酒に逃げたけど

 彼女は逃げ場が無くて・・・

 そんな時、俺が入院してしまって

 仕事も、勿論出来ないし

 お金も無くて、また、喧嘩!

だんだん、彼女を女として見れなくなって・・・

 だから、そうゆう事も1年ない!」



「・・・」



沈黙。



ふと彼を見ると、タバコを吸っていたので


千尋もタバコに火を点けた。



「千尋ちゃん?」


「無理しなくても良いよ」


彼は、ゆっくりと首を横に振った。


「そんな時、千尋ちゃんに会って

        本当に一目惚れだったんだ!」



彼の眼差しが熱い。