「千尋ちゃん?」
「ごめん、今日だ・・・
少しだけこのままで・・・」
彼の温もりが伝わってくる。
もう、それだけで良いよ!
「帰ろう」
素早く身支度して、精一杯の笑顔を見せた。
「千尋ちゃんの気持ちは聞いたけど
俺の気持ちは言ってないよ」
「え?」
俺の気持ち?
答えは決まってるでしょ?
「聞いて欲しい」
「はい」
今度は千尋がベッドで、彼はソファへ。
「嫁さんとは、高校の同級生で
長く付き合ってたけど
卒業して遠距離になって別れた。
でも、半年後に子供が出来たと・・・
別れた後に、分かったらしい。
最初は、1人で産むつもりだったけど
どうしても諦め切れなかったと。
そうして、産まれた子供は先天性の病気で
もうすぐ4歳になるけど、2歳の平均値位で
上手く喋る事も出来ない」
悲しそうな顔で、言わないで

