キッチンの片付けが終わって
テーブル席へ歩いてると
凄い視線を感じて、思わず逸らしてしまう。
マスターが、ニヤニヤしながら千尋を呼び
純ちゃんはカウンターの中へ。
「失礼します!千尋です」
お辞儀をして、お客さんを順番に見た。
かなりお酒が入った様子の人ばかり
でも、1人だけ若くてあまり飲んでない感じ
確かにイケメンもいた。
「部長、うちで1番人気の千尋です!」
マスターは、白髪頭の体格の良いおじさんに
そう言って、千尋に目配せをした。
いつから1番人気なんだよっ?
突っ込みたくなるのを我慢して
部長の隣へ座ると、赤い顔を近づけて来た。
臭~!
どんだけ飲むんだよ!
千尋はこの仕事は好きだけど
酔っ払いは嫌い!
酒の匂いも嫌い!
ちょっと矛盾している。

