キンモクセイ


いつもは見ない顔の女の子が横に立っている。


肩につくくらいの長さの髪が


電車の冷房で揺れる。


少し茶色がかっているが自然な色で、


染めていないということがすぐにわかった。


冷房の風が俺の方に吹くたびに


甘い香りが俺の鼻をくすぐる。


何も考えずにじっと彼女を見つめていると


ふと彼女と目が合った。