*香瑠side*

え、やばいやばい!
めっちゃ豪邸ー!
ほんとに、魁竜の家なの?!


しばらく歩くと魁竜の部屋に着いた。
シンプルに黒と白で統一されている部屋。
男の部屋って感じがする。


「っで、慶和兄の話って?」


「慶和が…死んだのはな…」

「うん…」

「香瑠や俺たちのせいじゃないんだ…」

「え…ほんとに…?」

「あぁ…。
慶和は最初から命を狙われてたんだ……。」

「えっ…。誰によ!?」

「極悪の魔鬼《マキ》って言う暴走族知ってるか?
まぁ、香蘭の総長だから知ってるか…。」

「そ、そいつらが…慶和兄を…?」

「あぁ。
慶和は…魔鬼に騙されたんだ…。
魔鬼は、最初香瑠を狙ってたんだ…。
理由は簡単。全国1位の香蘭の総長だから。」

「えっ。私そんなの知らなかった…。」

「それもそうだ。
慶和が色々誤魔化してたからな。

でも…、その誤魔化も通用しなくなった…。
慶和は、自分から………」


魁竜は唇を噛み締めた。

「自分から……?」

恐る恐る聞いてくる香瑠。
香瑠の目には涙が溜まっていた。