モテ男の恋

「興味持って!」


お願いしても興味を持ってくれない。


まぁ、そんな反応もいいけど!


楽の手を見ると、袋を持っていた。


「それ、授業で作ったやつ?」


聞くと、遠慮がちに頷いた。


「欲しい!」


あまりの欲しさに食いぎみで言ってしまった。


楽は俺の食い付きを見て、おずおずと袋を渡してきた。


まるで、家宝でももらうように両手で丁寧にもらった。


袋の中身はチーズケーキだった。


一口食べると、しっとり甘い。


だけど、きちんと酸味もある。


「うまっ!すげぇ美味いよ!」


絶賛すると、楽はすごく嬉しそうにはにかんだ。


ドキー--ン‼‼‼


心臓が痛い!


胸を押さえて膝をつくと、楽が駆け寄ってきた。


「だ、大丈夫?やっぱり不味かった?」


「いや、何でもない。ごめんな」


シャキーンと立ち上がると、格好付けて凛々しく笑った。