別にハンバーグにつられたわけじゃない。
白衣を脱いだ流人は、以外に普通の男性だった。
医者の息子だとか、家がお金持ちとだか、まるっきりそんなものを感じさせないし、逆に私の田舎の話を羨ましそうに聞いていた。


「いいな~、俺もそんなところに生まれたかった」って…


それから二人の距離は急速に縮まった。
流人は私の事を俺だけのきゆと呼び、いつも愛おしそうに抱きしめてくれた。
私達はあっという間に恋に落ち、特に私は、流人なしでは生きていけないほどに彼にのめり込んだ。
流人はちょっとチャラくて、優しくて、でも、時折、俺様気質が出現する。


「きゆ、仕事上しょうがないけど、俺以外の男をベタベタ触んじゃね~ぞ」とか、


「仕事以外のきゆの時間は俺のものだからな」とか、他たくさん…


俺様流人は裏の顔で、病院で見せる流人先生は明るく面倒見がいい癒し系ドクター。
そして、私は、私だけに見せる流人の裏の顔を愛していた。